各 MIDlet スイートファイルには、Java アプリケーション記述子 () ファイルが 1 つ含まれます。このファイルには、事前定義済みの属性セットが含まれ、アプリケーション管理ソフトウェア () は、これらの属性を使用して、MIDlet の識別、取得、およびインストールを行うことができます。JAD ファイルは、モバイルデバイス上のアプリケーション管理ソフトウェアが、MIDlet スイートの完全な JAR ファイルを読み込む前にそのデバイスに対する MIDlet の適性を確認するために使用します。また、JAR ファイルを変更する代わりに、MIDlet の特定の構成での属性 (パラメータ) としてこの記述子を使用することもできます。
IDE では、MIDlet スイートを作成すると JAD ファイルが自動的に作成されます。アプリケーション記述子ファイルを表示および編集するには、「ファイル」 「< プロジェクト名 > のプロパティー」を選択してから、「アプリケーション記述子」を選択します。
JAD ファイルには次の属性が必要です。
MIDlet-Name。
ユーザーが MIDlet を識別する MIDlet スイート名。MIDlet-Version。
MIDlet スイートのバージョン番号。アプリケーション管理ソフトウェアでは、インストール処理、アップグレード、ユーザーとの連絡にバージョン番号を使用します。 MIDlet-Vendor。
MIDlet スイートを提供している会社または組織。プロジェクト構成でサポートされる MIDP のバージョンによっては、ほかの属性も使用できます。
MIDlet-JAR-URL
。この MIDlet スイート用の JAR ファイルの場所と名前。MIDlet-JAR-Size。
この MIDlet スイートから構築される JAR ファイルのサイズ。この読み取り専用のプロパティーは、JAR ファイルが構築されるたびに更新されます。MicroEdition-Profile。
Java ME プロファイルが必要。形式と値はシステムプロパティー microedition.profiles と同じです (たとえば、 MIDP-1.0 )。MicroEdition-Configuration。
Java ME 構成が必要。形式と値はシステムプロパティーの microedition.configuration と同じです (たとえば、CLDC-1.0)。MIDlet-Description。
MIDlet スイートの説明。MIDlet-Icon。
JAR ファイル内での PNG ファイル名。MIDlet スイートを表すために使用されます。アプリケーション管理ソフトウェアでは、スイートの識別のため、このアイコンを表示します。 MIDlet-Info-URL。
MIDlet スイートの詳細情報がある URL。 MIDlet-Data-Size。
MIDlet が必要とする持続的データの最小バイト数。デバイス自体のポリシーに従い、デバイスによって追加の記憶域が提供される場合があります。 JAD ファイル内のユーザー定義属性は、アプリケーション管理ソフトウェア (AMS) に対して、MIDlet に関する追加情報を提供します。たとえば、AMS は、ターゲットデバイスでアプリケーションを実行できるかどうかを判断するときにこの情報を利用します。
また、ユーザー属性を使用すると、MIDlet を別のターゲットデバイスに直接適用することができます。これによって、JAR ファイルを変更しなくても、同じ JAR ファイルで複数種類のデバイスのサポートが可能です。
たとえば、Display-Width = 160
と Display-Height = 120
という属性を JAD に追加して、ターゲットデバイスの表示領域を定義することができます。
ユーザー定義属性には、それぞれ一意の名前を付ける必要があります。属性名は、先頭が MIDlet-
であってはいけません。また、空白や省略符号 (...) は使用できません。